1年前から続いているめまいを訴え来院(30代女性)

31歳 女性 東京在住 

【めまいを訴え来院】

1年前からめまいを感じるようになった。めまいは、まわりがぐるぐる回るような感覚であり、立ち上がりや、PCを使う、本を読むなど、長時間同じ姿勢を取った後の動きであらわれることが多い。

めまいと同時に、後頭部を殴られたようなズキンとした痛みや、口や舌が麻痺したような感覚も時々あらわれる。めまいの症状は数十秒から1分ぐらいで症状は落ち着くことが多い。

考えられる原因は、2年前に車の助手席に座っていた時、追突事故にあい、むち打ち症で2週間ぐらい辛かった事がある。耳鼻咽喉科、神経外科などでMRIなど、さまざまな精密検査を受けたが、原因はわからず、経過観察と言われている。

【初診時の検査】

・首を右にむける途中で、首の痛みとめまいあり

・首を後ろに向けると痛みとめまいあり

・仰向けから起き上がる動きでめまい誘発

【施術後の経過】

病院で精密検査を受けても、まったく問題が見つからないことと、椎骨・脳底動脈不全の検査(マイグネテスト)で問題ないことから、初回は軽い刺激で頚部を調節。治療後、起き上がり時のめまいが悪化したが、そのまま数分休むと症状は落ち着いたので帰宅してもらった。

2日後に2回目の調節。今回は刺激量を少し増やして調節した。治療後の症状の悪化は無かった。

3回目から日常生活での、めまいの頻度が少なくなり、右を下にしても眠れるようになった。

5回目の治療でめまいは完全に落ち着いたが、舌や口の感覚はあまりかわらないため、その後は週1回のペースで継続治療を行う。少しずつしびれは改善し、14回目からは症状がなくなったので、メンテナンスに移行。

月1回の経過観察を行っているが、これ以後、めまい、しびれ共に再発は無い。

【担当カイロプラクターのコメント】

今回の症状は、大変めずらしい症状ですが、「頚性めまいを伴う、Neck-Tongue syndrome」になります。

頚性めまいは、バランスに関わる、固有感覚と呼ばれる感覚受容器がたくさん分布している、頚椎を傷めることで、あらわれるめまいです。病院で診断のつかない、めまいや、良性発作性頭位めまい(BPPV)と診断された人で該当する患者さんが多いようです。

今回、同時に起こっている「Neck-Tongue syndrome」はとても珍しい症状で、AnthonyとLanceが1980年に報告したのが最初と言われています。こちらも頚椎へのダメージが原因で、舌下神経と呼ばれる脳神経に影響を及ぼす、非常に珍しい症状です。一般的に舌にしびれを起こす要因として、椎骨・脳底動脈不全や、頸動脈循環不全、脳虚血など、危険なものが多いので、精密検査を行いますが、それでも原因がわからない場合、このケースの可能性が考えられます。

めまいでお悩みの方はこちらへ

イーク丸の内カイロプラクティック整体